北鎌倉在住 川上さんによる雪堂美術館訪問記です。

雪堂美術館訪問記

北鎌倉駅前県道を、東慶寺から浄智寺に向かう途中右側、気をつけないと通り過ぎてしまいそうな狭い路地入口に、その新様式『雪堂門』が立っています。

この雪堂美術館を象徴する門は、長年神社仏閣の設計を手がけてきた建築家、太田新之介氏の設計によるものです。材料にもこだわり、薬師寺の関係から取り寄せた「台湾檜」が使われています。風向きによっては、門から新しい木の香りがします。


門前には、芝雪梅*と名づけられた鹿児島紅が、梅には珍しい紅い花を咲かせていました。幹の中まで赤いのには驚きました。門をくぐると、外の喧騒が嘘のような静寂さの中に入ります。檜の皮で覆われた両側の壁の間を通り、恵那産の錆石を踏んで長いアプローチを美術館の入口まで来ます。


ガラス戸をあけるとアンコール期の石像、猿神ハヌマーンが出迎えてくれます。

何となく神聖な空気に包まれたような気がします。


中に入ると右手に受付と手作りの色紙やハガキなどの売店があります。

美術館の中には入口からは想像できない広々とした空間があります。そこに書家、小野田雪堂氏の書と絵の世界が広がっています。4月〜6月は引き続き「金子みすゞの世界」と「山頭火の世界」です。


作品は充分なスペースをとって飾られていて、ゆっくりと鑑賞することが出来ます。じっと書を読み、絵を鑑賞していると、心が洗われる思いがし、ゆったりとした気分になれます。


一番奥の部屋は、癒しのスペースです。

大きなショーウィンドーの中の、中央に『ナーガ(蛇神)の上のブッダ』(アンコール期12世紀前半)、左側に『ブッダの座像』(8〜9世紀)右側に『王の座像』(ブロンズ8〜9世紀)3体が飾られています。

中国古美術のテーブルの椅子に座って仏像を眺め、壁にかかっている書画を鑑賞していると全く異次元の世界にいるような感覚に捕われます。


この美術館のもうひとつの魅力が庭園です。

鎌倉時代のやぐらを借景に、池には緋鯉が泳いでいます。池の周囲には石が配置され、年代もののミツバツツジ、西王母と云う名の椿等が植えられています。この庭が、季節によって、或いは太陽の光の具合によって刻々と変化するのです。午前中には太陽の光の反射によってやぐらの奥まで見えます。


午後は館内の作品たちがガラスに映ってあたかもやぐらの中に展示されているかの様に見えます。お茶を飲みながら一日眺めていても飽きません。北鎌倉にお出かけの節は、是非、 「雪堂美術館」に寄られることをお勧めします。


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